茶室の材料<北山磨き丸太>の植林から製造・販売


茶室材料や銘木を取り扱う弊社は、安政のころより現在の京都市北区鷹ケ峯において一般木材と北山磨丸太の製造販売を営むために創業し、以来百数十年をこえる変遷のなかで家業の伝統を守りこの道一筋に今日に至った老舗であります。
弊社では、北山杉の挿し木から植林、下刈り、枝打ち、伐採、皮剥き、磨き、乾燥にいたるまで、
北山独自の伝統技法を大切に守り、約三十年という長い月日をかけて一本一本愛情を込めて
製造しております。
こうした一貫した製造管理の下で産まれた北山磨丸太を茶室や数寄屋建築、床の間の材料として
全国各地の皆様にお客様主義の商品提案とともにお届けし、ご愛顧をいただいております。

◆ 茶室の材料(北山磨き丸太)の植林から銘木になるまで
◆ 北山磨き丸太の特長
茶室の材料<北山磨丸太>の植林から銘木になるまで
 
北山杉の苗床
 
選抜された良材の新芽を4月〜5月頃採取し、
畑に挿し木し、2年間畑で育てます。

2年後に山に移植します。
苗床
 
台杉仕立て
 
北山杉は一本の株から数本〜数十本の枝を残し、
育成する林業で、毎年収穫することができます。

現在ではこの台杉仕立てによって
主に化粧タルキの製造が行われています。
苗床
 
枝打ちと枝締め
 
北山杉の枝打ちは山に植林して7年〜8年後に最初の枝打ちが行われ、その後2〜3年おきに行われます。
北山独自の伝統的技法である枝打ちによって、北山独特の無節で真円な丸太ができます。

枝締めは伐採の前年の冬に先端部の枝だけを残して切り払うことで、これによって、この年の成長を抑制し、最終年輪の材質を緻密にし、丸太の肌に光沢が出て、乾燥時の亀裂を防ぐのです。
苗床
 
本仕込みと立ち剥き
 
本仕込みは、前年に枝締めされた丸太を8月中頃から下旬に伐採し、一本の親木を中心にヤリに組み、立ったまま皮が剥かれ、天日に一週間ほどあて、乾燥させます。

木肌表面からの天日乾燥と葉からの蒸散作用によって、茶室の材料に必要な北山独特の光沢と干割れの少ない丸太が生まれるのです。
苗床
 
北山杉の搬出
 
これは昔ながらの木馬での搬出風景ですが、
最近では発動機付小型荷車、モノレール、
ヘリコプターなどで搬出されます。
苗床
 
化粧タルキの皮剥き
 
台杉仕立てで育てられたタルキは
葉の付いたまま天日で乾燥させ、
木製のヘラで皮を剥いていきます。
苗床
 
菩提の滝での砂の採取
 
北山磨丸太の最終製造工程の磨き作業は、
菩提の滝で採取された粒子の細かい砂で
磨かれます。

この砂で磨くことによって、
茶室の材料にふさわしい北山丸太独特の
光沢が生まれるのです。
苗床
 
小剥きと砂磨き
 
北山丸太の最終製造行程では、乾燥時の亀裂を防ぐ為に背割れが入れられ、背割れが常に広がるように桧製の楔が打ち込まれます。これを矢入れといい、また丸太の元にはケントが施されます。

それと同時に小剥きが行われます。小剥きは、ヘラで剥かれた荒皮のうち、取り切れなかったアマ皮を鎌で取り除く作業のことで、その小剥きされた後、砂磨き(砂洗い)が施されます。
苗床
乾燥
 
丹誠こめて製造された北山磨丸太の最終工程は乾燥で、天日で一週間ほど表面を乾燥させ、磨丸太本来の白い肌の色が出たら、更に倉庫で半年から一年乾燥させて初めて茶室材料や建築材として全国各地に出荷されます。

このような工程を経て、最高級の茶室材料である北山磨丸太が生まれるのです。
苗床


北山磨き丸太の特長
北山丸太とは
  茶室の材料となる北山林業、北山磨き丸太は、室町時代応永年間頃から始まったとされ、約六百年の歴史を有し、北山の地理的気候、土質にも恵まれ、先人達のたゆまぬ努力と研究によって編み出された北山独特の技法によって築きあげられてきました。
以後、茶の湯の流行に伴って茶室や数寄屋建築の高級部材料として用いられ発展し、特に江戸時代中期には、現在のような人工林として北山林業が確立されたと考えられます。
その間、北山林業の技法は代々受け継がれ、世界にも類を見ない
超集約的林業を完成させました。
戦後は、高度経済成長時代の建築ブームにも乗り、一般建築の床柱として大いに用いられるようになりました。
北山磨き丸太の特長は、まっすぐ、真円、末落ちが少ない、材質が緻密で堅い、節の埋まりが良い、肌に光沢がある、変色しない、ひび割れが少ないなど、数多くの特長をもっています。
北山磨丸太は京都が誇る銘木であり、平成九年、京都府伝統工芸品に指定されました。
美しさだけではない、北山丸太の持つ力強さ
 
北山丸太とは本来、数奇屋建築や床柱など木の肌の光沢や模様(絞り)を楽しむもので、一般的な木材の様な構造材としての利用法というより意匠材(インテリア素材)としての機能をもった特殊な素材です。
しかし近年、構造材としての利用価値も注目されてきています。以下はその調査結果です。
(第54回日本木材学会大会で発表。京都府林業試験場、京都大学教授調べ)
製材品や一般丸太と比べて
北山丸太は特に曲げ性能が優れていた
曲げ試験の一般的な変位-応力図です。
北山丸太の最大応力が高いことや、ヤング係数(グラフの立ち上がりの傾きが急なほどヤング係数が高い)が高いことがわかります。
また製材品では一気に応力が落ちていますが、丸太では落ちかけた後、再び応力が上昇する状況が認められました。

           >>詳しい調査結果はこちら
北山丸太は、丸太の名のとおり、必ず年輪の芯を生かして使われます。
床柱になる丸太も、垂木になる丸太も、太さに関係なくしっかりとした芯をもっています、だから強いのです。
また、年輪の目が詰んでいるほど”磨き”をかけたあとの木肌がつややになり、やさしい表情がうまれます。
こうして、美しさを力強さを兼ねそなえた北山丸太ができるのです。
 
参考サイト)京都北山丸太連合会